百合と、LGBTQの違いって、なんだろう

 Twitterで質問があったので、自分の狭い見聞・知見によるものではあるけど、百合と、LGBTQの違いってということを書いてみますね。

 

 まず、LGBTQというのは、性自認と性指向の分類を表す、医学的・社会的な用語ですね。実際に生きている人が、自分はどういう性別であると思っているかと、自分は誰が好きかという基準で細かく区分けしたもの。

 生まれつき男性の体を持ち、自分は男性だと思っている人が、生まれつき女性の体を持ち、自分が女性と思っている人と、お互いに好きになる。この組み合わせが多数派だったのに対して、そのパターンに当てはまらない人達もいることを、正しく認識するための道具として開発され、使われている用語です。

 そもそもの目的が、少数派ではあっても確かにいる人達の権利を確立する社会運動のための用語、という側面があるので、純粋に医学的な使用よりも、社会的・政治的な使われ方をする方が多い印象があります。

 

 一方の百合は、文学的なジャンルを示す用語ですね。ここで言う文学は、漫画やアニメ、イラスト、ゲームなども含む、広い意味での創作活動を示します。

 元々は、女性と女性の恋愛関係をテーマにした作品が百合と呼ばれていたので、LGBTQの分類で言えば、L:レズビアンが該当していましたが、百合という概念はそこにとどまらず広がってきたために、単にビアンを描いた作品だけが百合ではなくなっています。

 現在、最も広く受け入れられていると思う百合の定義は、「広く女性同士の関係性を描いた作品」です。自分は、この定義が一番しっくりくるのですが、百合界隈も色々な人がいるので、こんな定義は認めないという人も当然います。

 この定義が示しているのは、「女性同士の関係性」は恋愛感情だけに限定されない、という百合の広がりです。

 

 恋愛までいかない親愛の情であったり、友情であったり、はたまた極端な例では嫉妬や憎悪といった負の感情を描いた作品も含めて、百合と呼ばれています。

 ここ最近の自分のTwitterでよくつぶやいている「殺伐百合」というジャンルが、まさに極端な例で、女性同士の強い感情のつながりを描くことが主要なテーマになっているので、相手を殺したいほどの愛情であったり、ドス黒い嫉妬も百合として描かれています。

 一方の端には、カワイイ女の子同士がイチャイチャしている「きらら」連載漫画のような甘々もあり、しっとりと情愛を深めていく「やがて君になる」や「安達としまむら」「スーパーカブ」のような文学的な作品もあり、友情で結ばれて戦う「裏世界ピクニック」のような世界もあり、命をかけて相手を守ろうとする「リコリス・リコイル」があり、相手を傷つけることも厭わない殺伐百合まである。こんな世界の広がりが、百合の文学です。

 

 ちょっと変わった視点で、百合と並ぶ小説のジャンルにGL(Girls Love)というのもあります。これは女性同士の恋愛を描いていて、かつ性的な描写も含まれるもの。用語の集まりとしては、TL(Teens Love)、BL(Boys Love)と同じ扱いになります。百合の定義の広さからするとGLも百合に含まれますが、性的なコンテンツという点で独立して扱われることが多いです。

 

 百合とLGBTQの関係の最後は、百合作品を好む人は、実生活でもL(ビアン)なのかという問題。

 自分が交流している、Twitterの百合好き界隈の女性には、実生活でもビアンという人が複数います。百合の元祖となった、戦前の少女小説のS(エス)と呼ばれたジャンルは、広く一般の少女に読まれたというので、同性愛、異性愛とは関わりなく好む女性はいると思いますが、率としてはビアンの人が若干多いのかなあという気がしています。自分の性に置き換えて考えてみても、BL好きの男性が、実生活でもゲイという方が自然だと思いますし。

 もっとも、ちゃんとした統計とか見たことがないので、当てになりませんが。

 

 さてさて、百合について語り始めると、いくらでも出てきてキリがないので、これくらいにしますが、お答えになりましたでしょうか?

 

エブで女子向けラブコメ初めました

エブリスタで、初めて作品を書いています。

それも、新入社員女子が、イケメンコンサルと同期に同時に迫られて、というお仕事系女子向けラブコメに初挑戦。

プロットなし。設定は書きながらメモ。オチもヤマ場も書きながら考える、という行き当たりばったりで、どうなることやら作者もわからないです。

 

外資系イケメンコンサルタントでも恋の指導はままならない|恋愛小説|代官坂のぞむ - 小説投稿エブリスタ